通塾なしで国立大附属小学校に合格した話③
それまで、マイペースに取り組んできたお受験でしたが、最終の模試で合格圏内に入ったことで 『ここまで来たら受かりたい』 欲がでてきてしまい、 この時になって初めて 塾へ通わせてやれば良かったんじゃないかと心から思いました。
なぜなら、母が得られる情報なんてほんの少し。 リボン結びはできるけれど、エプロンの後ろや横、頭のはちまきのリボン結びなんて練習したこと無かったし
塾へいっていれば、傾向や対策をたくさん教えてもらえて、残念な結果にはならなくてすんだかもしれない。(←母すでに落ちる前提。)
ラストスパートになって 欲と焦りの攻撃にやられてしまいそうになってしまった母でした。こんな風にペースをかき乱されるのも嫌だったので通塾はしなかったはずなのに…… 欲って怖いですね。
でもね、もうここまできたらじたばたしても仕方ありません。 体調をしっかり整えて自分達を信じて落ち着いて進むのみです。
そして本番を迎えたのでありました。
「もう、今までやってきたことぜ~んぶ!!出しきって、思いっきりやっておいで。」 と見送ったのですが……
帰って来たKohからは 「今までやってきたこと、何に~も出なかったで!!」 と、笑顔の一言。
そんなもんですよね~。
二日目は親子面接。 同じ教室の端と端で親と子、 それぞれの面接があります。
二人で、これで本当に最後、思いっきりやろう! とのぞみました。
母の面接が少し早く終わり、待つ間に振り返って息子の方を見ると……
な、なんと……
そこには……
緊張のあまりか?ポケットに手を突っ込んで、でも一生懸命将来の夢について語っているKohの姿が……
あの衝撃は今でも忘れられません。
そうです。子どもらしさを無くしてほしくはなかったので、面接の練習というものをほとんどしていませんでした。もちろん、色んな質問に答える練習はしていたんですけどね……
確かにKohは幼稚園の入園式の時も普段はしたことがないのになぜか腕を組んでいた事を思い出しました。 緊張すると、手がフラフラしてると落ち着かないんですね、きっと。
そんな母の衝撃は露知らず、 Kohの面接が終わり こちらを振り向いて、母を見つけた時のあの安心したようなKohの輝くような笑顔。
未だに忘れられません。
それなのに、教室を出てから ポケットに手をいれていた事について 怒ってしまった母……
今でも、あの時 怒ってしまったことを後悔しています。 どうして、「今までよくがんばったね、本当にお疲れ様」と抱きしめてやれなかったのか……母もまだまだ未熟ですね。
でもね…… そんなところを見て判断されているんじゃないんですよね。
ちゃんと、Kohの良いところを見て下さっていたことを嬉しく思います。
雨の中、見に行った合格発表で Kohの番号を見た時、 涙が込み上げてきて 傘で隠しながら大泣きしました。
あった、あったよ!!
母と息子のお受験への挑戦が 遂に終わったのであります。